地球にやさしいハマスタをみんなでつくろう!~愛されるエコステーション、はじまる~

循環型経済

2024年10月、横浜スタジアム(以下:ハマスタ)は「地球にやさしいハマスタ」を目指し、「観客参加型」のゴミの分別回収を導入しました。https://style100.city.yokohama.lg.jp/article/article-352/

今年の夏には、その活動をより発展させた「地球にやさしいハマスタをみんなでつくろう!エコステーション」という新たなプロジェクトがスタートしています。

来場者自身にゴミの分別をうながすエコステーション

2024年シーズンにハマスタで行われた横浜DeNAベイスターズ主催試合では、約236万人の観客動員があったといいます。1試合あたり平均3万人ものファンが球場を訪れたということになります。

そこで大きな課題となるのが飲食物の容器などのゴミの処理。ハマスタでは、大量に発生するゴミをできる限り資源として循環させるため、徹底した分別回収に取り組んでいます。

当初は横浜スタジアム外周の芝生エリアで開催されている「BAYガーデン」内にエコステーションを設置していましたが、9月からはより人通りの多い球場内のゲート付近へ移動しています。

2025年9月に横浜スタジアムにエコステーションが初設置。

こちらではペットボトルや紙の食品トレイ、プラスチックゴミなどの分別回収を行っています。

プロジェクトに携わる、横浜スタジアム・ファシリティー&ボールパーク部マネジメントグループの関屋豪晃さんに改めてハマスタのゴミ回収に関する課題について伺いました。

横浜スタジアム・ファシリティー&ボールパーク部マネジメントグループの関屋豪晃さん。

関屋さん:ハマスタではプロ野球の観戦だけではなく、場内で飲食も楽しんでいただけるよう、多彩なドリンクやフードを販売しています。そして場内で発生した飲食物の容器などはゴミ箱で分別を行っていますが、十分ではないため回収したゴミを係員が手作業で分別しており、その労力や時間が大きな負担となっていました。そこで、来場者にゴミ分別の精度を高めてもらうべく観客参加型のゴミ分別回収をするようになったのです。

プロジェクトのスタート時には、スタッフがゴミ袋を手に観客席を回り、分別を呼びかけゴミを回収するスタイルを採用。

お客様と積極的にコミュニケーションを取りながらゴミを分別、回収する。その経験が、今回のエコステーションの設置につながっているといいます。

関屋さん:お客様が継続的にゴミの分別を意識してくれる機会をつくりたいと思ったんです。そこから発想したのが注目されるエコステーションという場でした。実際、エコステーションを設置してみると、ゴミを捨てるときに、「これは何ゴミなんだろう」と立ち止まって考えるお客様もいらっしゃり、分別をより意識するきっかけになっていると感じます。
成果としても、1次の回収段階でかなり分別できているため、2次段階の分別量も時間も縮小されるようになりました。

分別回収をきっかけに会話が生まれる

エコステーションでは、注目されるために横浜DeNAベイスターズの公式マスコットである「DB.スターマン」と「DB.キララ」の等身大パネルがお出迎え。

横浜DeNAベイスターズ公式マスコットのDB.スターマン。今後、様々なマスコットパネルでエコステーションを盛り上げたいという計画も。

関屋さん:お客様に愛されているマスコットなので、注目度が高く、お子様が駆け寄ってきてくれたり、一緒に写真を撮ったりしてくれるんです。エコステーションがフォトスポットになっていて、横浜DeNAベイスターズを応援する人が集うハマスタだからこそマスコットの効果は大きいと実感しています。

また、ハマスタのエコステーションはスタッフが常駐する有人型の分別ステーションです。そこに至った理由について、関屋さんはこう続けます。

関屋さん:ゴミを受け取るスタッフがいると、お客様とちょっとした会話が生まれたり、「ありがとうございます」とお互いに声をかけ合うこともあります。ゴミを捨てるという何気ない行為が、笑顔につながるんです。

関屋さん:まだ規模は小さいですが、このエコステーションを通じて、すべての来場者の方に外出先で発生したゴミを分別して捨てることを習慣にしてもらえたらと思っています。

ハマスタから循環を意識した暮らしを広めたい

今年の夏から始動したハマスタのエコステーション。
まだまだ試行錯誤の段階といいますが、来場者とゴミの分別というアクションを通じてコミュニケーションをとる現場のスタッフの方にお話を伺いました。

エコステーション始動時から現場で対応にあたるスタッフの野口さん。

野口さん:最初はプラスチックや可燃ゴミ、ペットボトルといった分別でしたが、ハマスタで提供される特有の飲食物のゴミも資源として循環させたいと思い、汚れの少ない紙パッケージの回収も現場の判断で加えていきました。

エコステーションの手前には、野口さん手作りの「串と割り箸回収ボックス」も。回収時にスタッフの手に串が刺さったことがきっかけで別回収を呼びかけるようになったという。

野口さん:手が汚れるのも厭わず、分別回収に協力してくれる来場者の方が多くいらっしゃいます。エコステーションがあることでゴミの分類について詳しく知ることができるのもメリットだと感じています。
「ご苦労様です、いつもありがとうございます」とお礼の言葉をいただくことが多く、こうしたコミュニケーションも、より精度の高い分別回収に寄与している気がします。

エコステーションでは、分別回収に参加した小学生以下の来場者にハマスタオリジナルシールの配布サービスも展開しているそう。

横浜スタジアム×STYLE100のロゴ入り、ハマスタオリジナルのシール。

この取組について、関屋さんはこう話します。

関屋さん:ゴミを分別したときに「ちょっといいこと」があれば、お子様の心に残り続けるのではないか。そんな思いから始まった取組です。ハマスタとともに、分別や資源循環を楽しく学び、成長していってくれたら嬉しいです。

野口さん:シールをきっかけにお子さんが何回も分別回収に協力してくれることもあります。子どもは大人を見ているので、まず大人が積極的に取り組んでいる姿勢を見せるのが大事なのだと思います。

そして、エコステーションで分別に参加した来場者は次のように語ってくれました。

「外出先ではついゴミを小さくまとめて、分別せずに捨ててしまいがちですが、今回は事前に分別回収の呼びかけを聞いていたので、まとめずにエコステーションで正しく分別して捨てることができました」

「こういった分かりやすい分別回収場所があると、正しく捨てられるのでまた利用したい」

「未来もファンと一緒につくりたい」地球にやさしい観戦文化への思い

もし、ハマスタの来場者が完璧にゴミの分別ができたとしたら、どんな未来が待っているでしょうか。

楽しむ人の数だけ、循環が生まれるハマスタへ。

関屋さん:なかなか簡単なことではありませんが、夢のようなことだとは思っていません。来場されるお客様の多くがスタジアムに愛着を持ってくださっていることが、ハマスタの強みだからです。

私たちは地域、ひいては地球環境に配慮したハマスタを未来までつなげていきたいと考えています。その理念をゴミの分別回収を通じて多くのお客様と共有することで、少しずつ「資源の循環」を意識した暮らしが広まっていってほしいと願っています。

エコステーションから地球にやさしいハマスタをみんなでつくろう!

ゴミの分別は、最終的にゴミを捨てる人自身の判断に委ねられています。ハマスタのエコステーションは、より良い未来を目指して、今日もまた多くの来場者に意識の変化を生み続けていることでしょう。

【情報】
横浜スタジアム https://www.yokohama-stadium.co.jp/
横浜DeNAベイスターズ https://www.baystars.co.jp/

取材させていただいたのは...

STYLE実践のヒント

「ショッピングモールや映画館など、普段の外出先でゴミを捨てる際にも、ハマスタのエコステーションを思い出し、きっちり分別してもらえると嬉しいです」(関屋豪晃さん)

STYLE100編集部

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