地球にやさしい暮らしをつくる仲間とつながろう

再使用エネルギー 循環型経済 生物多様性

横浜市内の市民や企業、団体の皆様が取り組むサステナブルな活動を『STYLE』として紹介し、それを広く共有することで、地球にやさしい未来のライフスタイルを共に描く『地球1個分で暮らそう STYLE100(以下、STYLE100)』プロジェクト。

2025年7月11日、そんなSTYLE100による初めてのリアルイベント『STYLE100オープンセッション』をYOXO BOX(横浜市中区)で開催しました。会場には、これまで紹介した市民や企業、団体の皆様に加え、こうした活動に関心を寄せる一般の方なども参加。今回はそのレポートをお届けします。

普段は横浜市の起業人材が集まるYOXO BOX(よくぞボックス)を会場に、イベントを開催しました。

STYLE100の運営メンバーはスタッフとして参加者をお迎えしました。

STYLE×STYLEで新しい扉をひらく

「地球1個分で暮らそう STYLE100」は、地球にやさしい未来の暮らしをつくる横浜の様々な人や活動を紹介、時には、市民や企業、団体の皆様と共にチャレンジした新しいアクションを「STYLE」として取り上げ、広く発信しています。これまでに、食品ロス削減やごみ分別、水質改善など、さまざまな社会課題にユニークな視点で取り組む25の実践者(※7月24日時点)をご紹介してきました。

今回のオープンセッションは、そんな実践者の皆さんが一堂に集い、意見を交わし、互いのノウハウを共有することで、新たなSTYLEが生まれるきっかけをつくりたい——そんな想いで企画した場です。現場ならではの熱気によって“化学反応”が起こり、これからの展開をさらに加速させてくれることを私たちは期待しています。

なお、参加者同士の交流を促進するため、ネームプレートには、名前に加えて、ご自身が実践しているSTYLEやゆかりのある区についても記入していただきました。

これまで記事を掲載したすべてのSTYLEをパネルにして展示しました。

司会・進行は、普段から取材や現場に同行し、参加事業者との関係づくりにも積極的に関わっているSTYLE100の運営メンバーでお送りしました。

会場では、フードロス対策の一環として、ハマチクラボの風味豊かなスモークメンマをトッピングしたロスパンなども提供しました。

会場では軽食を提供しましたが、もちろんこれもサステナビリティを意識したもの。関内・日本大通りに店舗を構える『ベーカリー三三』と、横浜周辺の放置竹林の利活用を進める『横浜竹林研究所(通称:ハマチクラボ)』のコラボレーションによるフォカッチャなどをご用意。美味しく、地球にやさしい取り組みとして、来場者の皆さんにも大好評でした。

STYLEでもご紹介した『横浜ビール』も、多くの参加者が体験しました。

また、製造時に発生するモルト粕の有効活用に取組んでいるブルワリー『横浜ビール』の缶ビールを販売したほか、会場近くの『ハチドリコーヒー』さんに出店いただき、オーガニックコーヒーやクラフトドリンクを販売していただきました。

森を守り育てる森林農法で栽培された、フェアトレード・オーガニックのコーヒー豆を使用しています。

明るく和気藹々とした司会進行に、会場のムードも和やかです。

それぞれのSTYLEから見えてきた大切なこと

会場に集まった参加者は約80名。開会前のアイスブレイクでは、参加者同士がネームプレートを手がかりに積極的に声をかけ合い、活発な意見交換が行われていました。日頃から問題意識を持ち行動されている皆様ならではの熱意を感じつつ、最初のプログラム「スタイル・ピッチ」がスタート。4名の登壇者にご参加いただき、スライドを用いながら、それぞれが実践するSTYLEについて語っていただきました。

誰かと語り合い、分かち合いたい!という熱意を持った人々の距離が縮まった瞬間のように感じます。

スタイル・ピッチにご登壇いただいた皆さんの取り組みについては、これまでのSTYLE記事で詳しく紹介していますが、規模や具体的なアクションは異なれど、いずれの事例も“サステナビリティ”という頂を目指している点は同じです。だからこそ、話す側は真剣、聞く側も真剣。自身の活動に活かせるヒントを求めて熱心に耳を傾けている様子が印象的でした。

今回のオープンセッションの意義とも深く通じるものとして、とくに印象に残ったのが、Woo-By.Style(ウッビースタイル)代表、野村美由紀さんによるプレゼンテーションです。

同社は、地産地消や共生社会の実現をテーマに、行政や企業と連携しながらさまざまな企画を展開してきた企画会社です。コロナ禍では飲食店や農家が直面する苦境が顕在化し、「売上や客足の激減」「行き場を失った食材の増加」「販売機会の喪失」といった切実な声が野村さんのもとに次々と寄せられるようになったといいます。

その課題に対し、野村さんはこれまで培ってきた企画力と、人とのつながりを存分に活かし、課題解決と消費者の喜びを両立するマルシェ『夕方マルシェ』で応えます。それぞれの商品や生産者の特性に合わせ、出店場所や販売方法などを丁寧に勘案されている点が印象的でした。豊かな企画力に加えて、日頃から多様な方々との関係性を築いていたからこそ可能な取組です。

そして、この夕方マルシェを通じて出会った『アルファロッカーシステム』さんとの縁が、規格外野菜や廃棄予定のパンをロッカー型自販機で販売するという、持続可能性に優れた新たな仕組みの実現へとつながります。これは今後の社会に定着していく可能性を感じさせる、まさにイノベーティブなアクションです。

目の前の課題に真摯に向き合い、柔軟に乗り越えながら前へと進んでいく姿は、まるで淀んだ川を清掃しながら源流へと向かい、やがて川全体を清らかな流れへと変えていくような営みです。その姿勢に、私たちSTYLE100が思い描く未来のビジョンが重なって見えた瞬間でもありました。

横浜市瀬ケ崎小学校教諭の桐山智さん。

▶︎桐山さんが実践しているスタイルはこちらから
STYLE #016「地域に自然のあそび場をつくろう」

横浜瀬谷高校総括教諭の黒崎洋介さん。

▶︎黒崎さんが実践しているスタイルはこちらから
STYLE #005「花から地域に循環を生み出そう!」

Woo-By. Styleの野村美由紀さん。

▶︎野村さんが実践しているスタイルはこちらから
STYLE #002「ロッカー型自販機で、食品ロスをなくそう」

IKEA横浜の若林有紀さん。

▼IKEA横浜 若林さんが実践しているSTYLEはこちら(前編)とこちら(後編)から
STYLE #019「北欧から地球にやさしい暮らしを学ぼう(前編)」
STYLE #019「北欧から地球にやさしい暮らしを学ぼう(後編)」

若者と企業が挑む、あたらしいSTYLE

第二部は、次世代を担う若者が企業の若手社員などと共に、環境に配慮した持続可能な社会の実現に向けて議論やアクションを行うためのプラットフォーム『ヨコハマ未来創造会議』に参画する方々にご登壇いただきました。

メンバーのひとり、Sustainable Adventure YOKOHAMAの若狭僚介さんは、昨年からヨコハマ未来創造会議に参画。株式会社日本旅行の椎葉隆介さんと一緒に横浜のサステナブルツーリズムに関するプロダクトの開発・共創を行っています。よりよい社会を目指すアイデアを持っている人と、実際に専門領域として事業に携わっている人との出会いから始まる、シナジーの可能性について語ってくれました。

▶︎ヨコハマ未来創造会議を取材したスタイルはこちらから
STYLE #009「あたらしい感性とアイデアで未来を描こう」

日本旅行の椎葉隆介さんは、旅をイメージしたスナフキンの帽子でご登場。

株式会社ダイイチの柳下元紀さんは、神奈川大学 道用ゼミの学生たちと一緒にプレゼンテーションを行いました。

セッション終盤は『あたらしいSTYLEをつくろう!タイム』のまとめの一幕として、会場を丸ごと使って交流会が開かれました。

興味を持った登壇者にすぐさま駆け寄って話を聞こうとする人、名刺交換をして互いのSTYLEについて話を弾ませる人、ネームプレートに書かれたSTYLEの内容や地域を見て、「同じ保育関係ですね。どんなことをやっているんですか?」「瀬谷区からいらしたんですか。私は隣の旭区ですよ」と会話の種を見つける人。人と人とが交差し、明るく賑わう様子から、今日この日がSTYLE実践者たちをつなぐ横串になったような嬉しさと、私たちSTYLE100の想いが浸透し始めていることを、ひしひしと感じました。

本セッションで自然と生まれたつながりから、新しい何かがはじまっていくのが楽しみです。

交流会に参加していた、神奈川大学の道用ゼミに所属する学生さんに感想を聞いてみると、「横浜市のいろいろな業界の方が、隔たりなく集まっている場に刺激を受けました」と笑顔を見せてくれました。
サステナブルなプロダクト開発にチャレンジする学生たちからは、若者ならではのフレッシュなエネルギーと、社会に対する真摯な眼差しを感じます。同じ横浜市を舞台に取り組んでいる他のSTYLE実践者たちと交わることで、これまでにない柔軟な発想から新たなプロダクトが生まれ、次世代のSTYLEとして広がっていくのかもしれません。

以前、オープンガーデンの取材でお話を聞かせていただいた瀬谷区の星野さんは、「自分には何ができるかな、というのを今すごく考えています」と感想を語ってくれました。
身近な暮らしをより良くしようとしている人が多く集まったこの場を経て、すでに動き出しているSTYLEも、また新たな見識のもとさらに発展していくのではと期待せずにいられません。

STYLE100プロジェクトは、多様な人々がネットワークを形成し、それによって新たなアクションを創造していくことを目指したプラットフォームです。司会を務めた横浜市のSTYLE100運営メンバーは、このオープンセッションにおいて、それを温かい雰囲気で体現することができたと安堵の表情を浮かべていました。

オープンセッションで新たなSTYLEを生み出そう

こうして、『地球1個分で暮らそう STYLE100』プロジェクト初のリアルイベント、『STYLE100オープンセッション』は無事に閉幕しました。

STYLE100はSTYLEを実践する方々をつなぐ場でもあります。この出会いから新たな結びつきが生まれ、アイデアを誰かと共有することで具現化し、より多くの人の行動や暮らし方のヒントに。そして、その積み重ねで地球にやさしい暮らしが広がっていく。それが私たちが目指す未来です。

【情報】

STYLE100では、脱炭素・循環型経済・生物多様性を主な軸として、横浜から未来のためにチャレンジしているさまざまな人や活動を紹介しています。「こんな活動をしているよ!」という方がいましたら、ぜひ編集部までお知らせください。
宛先ページ:https://style100.city.yokohama.lg.jp/apply/

Instagramでは、これまでに記事化したSTYLEをフィード投稿やリール動画でご紹介。皆さんのフォローをお待ちしています!
公式インスタグラム STYLE100:https://www.instagram.com/style100_yokohama/

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